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外債運用失敗で農林中金が過去最大の赤字

user 著者 鳥羽賢
calendar 2024年11月19日

日本だけでなく世界的にも大手の機関投資家として知られる農林中金が19日に4~9月期決算を発表。過去最大額となる8,939億円の赤字を計上した。この巨額赤字は外国債券の運用失敗によるものであるが、何が間違っていたのだろうか?

債券の値下がりを予想できず

 農林中央金庫(以下、「農林中金」)が19日に2024年度上半期(4~9月期)の決算を発表。損益額は8,939億円の損失になり、半期決算として過去最大の赤字額を計上した。また来年3月までの2024年度通期決算では、損失額はこれまでの見通し1.5兆円を上回って2兆円以上になるとの見通しも示した。

 これほどの巨額赤字は、主に外国債券の運用失敗によるものだった。では何が間違ってこのような大赤字になったのか?その前にまず、農林中金という組織について確認してみよう。

 農林中金の前身となる組織は1923年に創業され、その後1943年に現在の「農林中金」に改名された。1986年には現在の形態である特別民間法人になった。

 名前の通り基本的には農協などから資金を集め、それを農業や林業といった第1次産業の企業に融資する事業を行う金融機関であった。また集めた資金の運用も行ってきた。しかし1990年のバブル崩壊以後は日本の低金利が長期化したため、融資事業では収益があまり出せずだんだんと運用事業に回す資金額とこちらの収益が増えていった。

 そしてここ10年ほど農林中金は主に外国債券での運用比率が増えてきており、今回の決算発表時点ではポートフォリオの40%が外国債券だった。

債券には株式市場などと同様リアルタイムに売買される市場があり、市場における債券価格と利回りは反対に動く性質がある。債券が買われて価格が上がると利回りは下がり、逆に売られて価格が下がると利回りは上がる。

 今回の8,939億円の巨額損失は、これまでに買って保有していた外国債券の価格が下がっていたにも関わらず、売却して損失を確定したことによって計上されたものだった。

 なぜ外国債券の価格は下がったのか?それは2022年以降の世界的な金利上昇のため。政策金利が引き上げられれば債券の利回りも上昇し、価格は下がっていく。農林中金が今回売却した外国債券は以前から保有していたものも多く、それらが2022年以降の金利上昇で価格が下がり含み損となっていた。

 債券は満期を迎える前に売却すると含み損あるいは含み益を確定することになるが、満期まで保有することもできる。ではなぜ農林中金は中途で売却をしなくてはならなくなったか?それは金利上昇で外貨調達コストが上昇したためだ。外貨調達コストの上昇によって外国債券を保有するコストが上がり、低利回りの外国債券をこれ以上持っていても収益を圧迫するだけと判断して売却を決定した。

 また今後も外国債券の売却を続けることで、通期の赤字額は2兆円以上にまで膨らむとの見通しになった。

 農林中金は2000年代にサブプライムローン関連の金融商品を買い、2008年のリーマン・ショックで多額の損失を出した。その経験からその後は比較的低リスクと言われる外国債券の比率を増やしたのだが、それが裏目に出た。

 農林中金の失敗は、2021年以降の世界的なインフレと金利上昇を予想できなかったことだ。予想できずに債券を持ち続けたため、価格が下落して大きな損失になった。こちらの記事のように2021年の早い段階でインフレの兆しを認識し、早めに対処していたらここまでの損失にはならなかったのではないか。

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