今週は米大統領選が行われ、トランプ氏の大勝に終わった。この勝利によって株式市場に楽観的なムードが広がり、その後NY株が暴騰。他にも為替市場が高騰し、為替は円安、金は下落するなど選挙後は金融市場が大きく変動した。
今週は非常に多くの重要イベントがあった週だったが、その中でも最も重要だったのは5日火曜に投票が行われたアメリカ大統領選であっただろう。
今回の大統領選は投票直前までトランプ・ハリス両候補の支持率が拮抗していると言われていたが、開票が行われてみるとトランプ氏が接戦州7州を全て獲得する大勝であった。
そして今週は7ヶ国が政策金利を発表する政策金利発表ラッシュの週であった。その中でも最も注目されていたアメリカの政策金利は8日金曜未明に発表され、予想通り0.25%の利下げで4.5~4.75%とされた。発表後のパウエル議長の会見では、今後は利下げペースを減速している姿勢が示唆された。
アメリカ以外の政策金利発表をまとめると、オーストラリアは4.35%のまま据え置き、ポーランドは5.75%のまま据え置き、ブラジルは0.5%利上げをして11.25%、スウェーデンは0.25%の利下げで2.75%、ノルウェーは4.5%のまま据え置き、そしてイギリスは0.25%の利下げで4.75%。全て予想通りの発表であった。
今週は重要な経済指標の発表は少なかったが、8日に発表されたカナダの10月雇用統計は予想の前月比2万5000人増に対し発表は1万4500人増だった。
アメリカ大統領選の結果が強力な後押しとなり、先週のさえない動きから一転して今週のNY株式市場は暴騰の1週間となった。ダウ工業平均は4日月曜に257ドル安、5日に427ドル高と推移した後、6日水曜はトランプ氏勝利確実で楽観的なムードが広がり1,508ドルも暴騰して史上最高値を更新。翌7日はほぼ変動なしだったものの、8日の場中には一時初の44,000ドルをつけ、この日も259ドル高で終わり最高値を更新。週足では1,937ドル高だった。
4日が休場で4日間だけの取引だった東京株もNYと同様に堅調な1週間となった。日経225平均は3連休明け5日には421円上昇し、翌6日は米大統領選のトランプ氏優勢を受けて1,006円の大幅高。その後7~8日は小幅な変動で終わり、週足では1,447円高だった。
為替市場を見ると米ドル/円は米大統領選前と投票中の4~5日には1ドル=152円付近で小幅に上下。そして6日午前中にトランプ氏優勢の情報が伝わると2円ほど米ドルが上昇し、この日の夜には154円50銭を超えた。だがそれ以上円安・米ドル高にはならずその後週の後半は円高が続き、終値は152円50銭だった。
仮想通貨に好意的なトランプ氏が大統領選で勝利したことで、仮想通貨市場も暴騰した。ビットコインは米大統領選前は1,050~1,070万円で推移していたが、トランプ氏優勢となった6日午前中に100万円ほど暴騰して史上最高値を更新。その後7~9日にかけて主に1,170万円付近に留まった後、10日日曜にはまた上昇して1,200万円を超えた。
一方先物市場の金は他の資産とは逆にトランプ氏優勢の報道で売られ、6日から7日にかけてNY金が100ドルほど下落した。
来週はアメリカの10月消費者物価指数や、日本の第3四半期GDPが発表される。嵐のような今週と比べるとかなり材料が少ない週となるが、株式や仮想通貨市場は今週の勢いが続く可能性がある。
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