20日のNY株式市場終了後にエヌビディアが8~10月期の決算を発表。売上高・純利益ともに前年同期から約2倍になり過去最高を更新したものの、来期の見通しが市場予想を下回ったことで発表後の株価は上昇していない。
米半導体大手のエヌビディア(銘柄コード:NVDA)が、20日のNY株式市場終了後(日本時間21日早朝)に8~10月期決算を発表した。
エヌビディアは2023年明け頃からの世界的なAIブームによって製品への需要が爆発的に拡大。その後は業績・株価とも大暴騰し、現在の時価総額は3兆5000億ドル(約542兆円)を超えて時価総額で世界最大の株式銘柄となっている。
それだけにエヌビディアの決算発表には世界の投資家が注目していた。そして発表された決算によると、売上高は前年同期の181億ドル(現在のレートで約2兆8000億円、以下同じ)から84%増の351億ドル(約5兆4400億円)で、市場予想とほぼ同じだった。
純利益は前年同期の92億4000万ドル(約1兆4300億円)から109%増の193億ドル(約3兆円)。EPS(1株あたりの利益)は0.78ドルだった。また売上高・純利益はどちらも同社の過去最高値であった。
しかしこれらの数字は、アメリカの正式な会計基準に基づいたGAAPベースの利益額。エヌビディアを含めた一部の米企業はGAAPベースの他に、非公式なnon-GAAPベースの数字も公表している。
Non-GAAPベースにおけるエヌビディアの8~10月期純利益は、前年同期の100億ドル(約1兆5500億円)から100%増の200億ドル(約3兆1000億円)。EPSは0.81ドルで、市場予想の0.74ドルを上回った。
今期の決算は素晴らしい数字だったものの、来期・11~1月期の売上高見通しは375億ドル(約5兆8000億円)で、市場の予想をやや下回った。またこの数字は前年同期比約70%増であり、ここ1年半で最も低い増加率となる。
決算の内容自体は良かったが来期の見通しがこれまでより低かったことから市場は失望。20日を145.89ドルで終えた同社の株だが、その後の時間外NY株式市場では前日終値とほぼ同じ水準で推移している。
今回の決算発表後に株価が上昇しなかったとはいえ、エヌビディアが今後も伸びていく余地は十分すぎるほどにあるのは事実。現在3兆5000億ドルを超えて時価総額で世界最大となっているエヌビディアは、今後の株価上昇で世界で初めて時価総額4兆ドル(約620兆円)に到達できる可能性がある。そして4兆ドルが見られる日もそう遠くはないだろう。
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