日銀が異次元緩和の目標として掲げている物価上昇率2%は、「2016年度前半」を達成時期の目安としていた。しかしその前提となる今年後半における原油価格の再上昇が見えなくなってきており、日銀の目標達成はかなり厳しくなってきている。
異次元緩和は2013年4月に開始。当初は物価上昇率2%の達成時期を「2年以内」と定めていた。2年以内とはつまり2015年3月末までであり、黒田総裁を初め日銀関係者は達成にかなり自信を持っていた。
がしかし、実際に2年経ってみるとその目標は達成できなかった。目標達成が絶望的になってきた今年初め頃から、日銀関係者は達成時期目標をいつの間にか「2年以内」から「2016年度前半を中心とした時期」にすり替えて話をするようになっていた。
2015年3月まで達成できなかったことについてあまり説明や謝罪などはなかったが、「原油価格下落のため」という理由づけだけはしていた。
ともかく「2年以内」の目標は達成できなかったので、現在の問題は今後の展望だ。日銀は2016年度前半に目標を置いているので、それは2016年4~9月の間ということになる。そして目標達成の前提として、「2015年後半に原油価格が再上昇する」という見通しを語っていた。
原油価格は5月から6月にかけて60ドル前後まで上がり、また上昇基調になるかに見えた。しかし7月からギリシャ問題やイランの原油禁輸解除が近づいてきたこと、さらに中国経済の減速などの材料ために、原油はまた下げ足が速まってきた。7月25日未明にはNY市場の原油は47ドル台をつけ、3月につけた最安値に近づきつつある。
これで「今年の後半に原油価格が再上昇する」という前提が崩れていっており、今後日本や世界の物価にはまた下押し圧力がかかることになる。2016年度前半まであとほぼ1年だが、現在の状況では物価上昇率2%の達成はかなり厳しい。
日銀総裁の任期は5年。現在は黒田総裁の任期はすでに3年目に入っている。日銀は総裁任期の4年目にあたる2016年度前半に物価上昇率を達成すると言っているが、それは厳しくなってきた。
となると残りは5年目である2017年4月~2018年3月しかない。しかしこの時期は消費税増税という別のマイナス材料がある。安倍総理は17年4月に消費税を10%に引き上げるつもりで、すでに景気条項を削除した法案を通した。つまり17年4月には、景気の状態に関係なく消費税が増税される。
消費税増税は、景気や物価上昇率にとってかなりのマイナス材料になる。実際に消費税が8%になった去年4月以前は、物価上昇率は上がり続け1.5%程度まできた。しかし増税を境として低下に転じ、約1年後の現在には0.1%という低い数字になってしまった。増税が景気を冷やし、物価上昇率を下げたのはかなり明確なのだ。
このまま10%に増税すれば、また半年~1年は景気が冷え込む可能性が高い。そうなると物価上昇率は低迷し、結局2018年3月まで2%は達成できなくなる。
日銀総裁の任期は5年で、日銀法で再選は可能と決められているが、近年再選された事例はない。黒田総裁は2018年3月に退任する可能性が高いのだが、その次の総裁は金融緩和の後始末をどうするつもりなのか?後始末をやりたい人材がいなく、黒田総裁が再選されるという事態もあるかもしれない。
この書類に含まれる素材はiFOREXではなく、独立した第3機関により作成されたもので、いかなる場合においても、直接的・間接的、明示的・暗示的にかかわらず、投資に対する助言や、金融商品に関する投資戦略の推奨、提案として解釈すべきものではありません。この書類に含まれる過去の実績や、それに基づくシミュレーションは将来の成果を保障するものではありません。
すべての免責事項はこちらをクリックしてご確認ください。
iFOREXは数百銘柄の通貨、仮想通貨、商品、指数、ETF、株式をCFD形式で取引することができます。
方法は簡単、3ステップでCFD取引を注文できます。
iFOREXに今日参加すれば、次の素晴らしい特典パッケージがあなたのものに
25年以上信頼されるサービスプロバイダー
iFOREXグループは業界で最も大きく尊敬される企業の一つです。1996年に成功した銀行家のグループにより設立され、世界中の人の毎日の市場へのアクセスが目標です。
3つの主な約束
私たちは、提供するグローバルな取引商品の多様性と、使用する革新的な技術、常に向上し続けるカスタマーサービスで、業界のリーダーであり続けます。